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オペラを楽しむ会(2009年感想)

2009年12月14日 オペラを楽しむ会レポート 
                               

 12月14日。今回の勉強会は新旧二作。
 一作目は遠い昔、青戸女史の青春時代に一世を風靡した(勿論白黒)映画です。不遇を託つシューベルトは、献身的に彼を支える「愛らしい質屋の娘さん」を見捨て、わがままで奔放な富豪令嬢に魅かれて行きます。「嘘でもいいから、私だけを愛すと言って」と妖艶に迫るご令嬢にメロメロ。 (KLA諸嬢の声・・・・シュー様お止めなさい、弄ばれてるだけよ。)結局ご令嬢は同じ階級の貴族と結婚。    (・・・・だから言ったじゃないの)シューベルトのもとには彼女のためにと作曲しかけた作品が残ります。「我が恋は成らざりき。この曲も未完のままとす」と言うわけで「未完成交響曲」が完成?するのです。 (・・・・学生時代によく観に行った、渋谷の東急会館7階名画座を思い出すわ。そうそうあそこは痴漢もよく居たわね)
 二作目はガラリと変わって、豪華絢爛、総天然色。「トスカ」 
1992年7月11日ローマで、舞台劇「トスカ」の原作に書かれた通りの実際の場所と原作通りの時刻に演じ、世界中に衛星中継されたネオオペラです。
一幕目は「アンドレ〇〇〇〇〇教会」カバラドッシが親友の政治犯を匿う場面。正午から。
二幕目は「×××××宮殿」トスカがスカルピアを刺殺する場面。     午後4時から。
三幕目は「聖△△△△△城」カバラドッシが銃殺される場面。   翌日の午前6時から。(○○や××や△△は伏字ではありません。憶えられなかっただけです。)延々20時間をかけて演じられたそうです。
天空を貫くようなドミンゴ様の美声と、次元の壁を射抜くようなキャサリナ・アルフィターノの四白眼に、耳も眼も至福の喜びを味わった一日でした。
 それにしてもこの長~いオペラを、私のようなド素人であっても飽きさせないようにと1時間半に編集して下さった青戸先輩の凄腕にも感嘆しきりです。  
                       (昭和41年文卒 芳川 玲子)

2009年12月14日 オペラを楽しむ会への青戸さんのコメント

皆様!遅いご案内になってすみませんでした。今年の秋ほど忙しかった年は無かったように思われますが、ほんとにごめんなさい。
台風から始まった東京での各種の会合から神話の国での舅の50回忌、ソウル三田会、市老連50周年大会の実行委員から、老人会とコミュニティーの数々の接点は運動会、芋ほり他 バス旅行に役員会に折り紙講習ETCと、とてもいつものように視聴して検討する時間が物理的にとれません。
それで、シューベルトの物は二つ見るのがやっとで当日までもう少し努力しますが、今回はいくつか持参して、当日皆様とご相談ということにさせてくださいませ。
候補は、イタリアオペラ1973のベルゴンツイーの「アイーダ」、シューベルトの映画「未完成交響曲」、リストの「我が恋は終わりぬ」オペレッタ「ウイーン気質」など。フォルクスオパー百年記念公演「こうもり」はお正月(2月?)むきかも・・・と。そして他に何か発見出来たら!
では皆様とお会いする日を楽しみに。                青戸

2009年10月5日 オペラを楽しむ会レポート 
          演目:「ロメオとジュリエット」 1867年初演 グノー作曲
                     

 実を言うとオペラでロミ・ジュリを鑑賞するのは初めてでした。現在英文学ではシェイクスピアものはエドワード・サイードらによってキャノン(正典 )として文学研究において必読の位置から排撃されています。英文学徒に言わせると「今時シェイクスピアかよ!」と言うわけです。シェイクスピアを見に行くと言うのは、最近文学を始めましたと言うことで、見栄っ張りの文学人士にはとても耐えられないのです。
 尤も近年のサイードの没後、経済学とか経営学などの実学、基礎科学などにおいてはより深い人間的情趣の理解と涵養、頭脳活性化のためにシェイクスピア劇を学生たちに上演させるという授業が出てきてはいます。何故シェイクスピアかというのは、女性のおしゃれでもよく言われることですが、発展途上国の女性が(あるいは男性も)自ら豊かになって来たと自己の尊厳を実感できるのが、ブランド品のバッグや名刺入れやドレス、スーツを持ったり着たりすることだというのと同じです。そういう意味では理科系や実学系の人間は発展途上人間と言えます。
 かく申す私は、その意味に限ってはシェイクスピアもうたくさん!と思っていたのですが、オペラ版は観たことも聴いたこともなかったのです。といって、だから「では早速」とは行かないのが観劇で、時間と費用がかかります。今回の1994年コヴェントガーデン劇場でのものもDVDにして三時間ですから、どなたか先達の案内無しには選択することができません。そこへちょうど信頼すべき筋からのお誘いがありました。しかも費用は大阪慶応倶楽部までの交通費と鑑賞会参加費のみです。そして大満足を得て帰途に着きました。さすが青戸さんの御推薦版です。三時間を退屈することなく見終わりました。第一幕から最後まで、二人のみずみずしい声と演技は、今やはるか昔となった私の初恋や思春期の真剣な恋を思い出させてくれました。すっかり年をとり恋の歓喜の無い代わり憂いも無い昨今ですが、パピイ・ラヴを鮮やかに追想できたということは癌対策上にも良いのでしょう。全幕フランス語で歌われましたが、日本語のサブタイトルがあるのがDVDの強みです。さりながら40年前に仏文を専攻していた筆者は音声に慣れてくるとフランス語も楽しめました。
 青戸先輩、これからも是非、私のようなオペラ発展途上人に先達として指標を示してください。有難うございました。                
                                    良田玲子

2009年10月5日 オペラを楽しむ会への青戸さんのコメント

次は前回、名場面集で一部お見せしたグノーの「ロミオとジュリエット」(1994年・コヴェントガーデン王立歌劇場公演)にします。
このオペラは数々あるので又他をご覧になることもお有りでしょうが、まず、これの右に出るものは少ないと思います。アラーニャ自身,
二三年後ゲオルギューと夫婦で演じてますが、これはもう、小父さんと小母さんで見るに耐えません。聞くのは別!<BR>

アラーニャの初々しいロミオ、一方清純なジュリエット役はこれ以上の歌手はいないと唸らせるヴァドゥーバです。
夜明けの別れのシーンの二人の歌は 切なくて甘くてなんとも胸が迫る場面です。
この歌はメトロポリタン劇場100周年記念ガラコンサート〔1983〕で、アルフレードクラウスと,マルフィターノで歌いましたが、
白髪のクラウスの瑞々しいタキシード姿とイブニングの美しいマルフィターノは、舞台に立った瞬間まさにロミオとジュリエットでした。
その歌唱の表現力と優雅なしぐさ!衣裳も着てなくて、この齢で、こんなにも若い二人の情感が表せるのかと驚嘆した事があります。
勿論これもお茶の後にお見せするつもりです。
プロコフィエフのバレーもありますが、私はグノーの品のよい甘さと美しい旋律に惹かれます。それではお楽しみに。

                       以上です。よろしく青戸

2009年8月5日 オペラを楽しむ会レポート 
                  演目:「椿姫」   1931年版の映画
                     

 参加させていただいたスナイダー・ケーシーです。いや、平越先生に誘われて、漠然と「オペラを鑑賞するのやろ」と思いながらそのまま参加しました。しかし、実際参加してみますと、思った以上オペラはもちろんのことですが、ほかのことにも触れることができ充分に楽しく遊べました。慶應大学の皆様の勢いを目の当たりにし、東京大学はあのように偉そうにしていても、こういったグループはないだろうなあと思って、その場で羨ましく思いました。参加させてもらい本当にありがとうございました!
 さて、早速「椿姫」という感想文を平越先生が満足できる(?)まで書いてみます。何ともシンプルなものなので読み飛ばしていただいても結構です。(でも読んでいただけたら、嬉しいです!)。もう全く印象に残るキャラクターとしてはやはりMargueriteでしょう。
 ちなみに、映画のタイトルは日本では『椿姫』と呼ばれているが、その由来は作者のアレクサンドル・デュマ・フィスの「La Dame aux camelias」で、和訳してみると、だいたい『椿姫』になるようです。(ヴェルディは「La Traviata」と名づけるが)椿という花は日本の武士にとっての意味以外に、中国では椿の蕾はお嬢さんという意味になっており、そして椿の茎はそのお嬢さんの若い男性の守人という意味になっていて、なんと「椿姫」という作品にふさわしいことでしょう。
 一応個人的な解釈で述べてみますと、生命は儚くてもその短い期間にもいかにきれいなものがあろうかということであったと思われます。しかし、その展開は独特で、そういった儚さはもはや切迫した感じになっていて、それより恋(ま、意味のある恋といおうか)を諦めた女性がついに恋してしまうという出発点は珍しく興味深かったです。そればかりでなく、Armandのお父さんとの誓いでMargueriteの愛の確証がはっきり見えて、なんともすばらしいストーリーだと感動してしまいました。
 最後に、青戸女史の選曲でいろいろ素晴らしいものを見せていただきましたが、その中で特に印象的なのはニューイヤーコンサート(1987)のワルツ「春の声」のバトルの歌と「蝶々夫人」の最後のシーンの演出でした。
 これで、感想文は終わりますが、最後にまた関西に来て時間があったら、ぜひ参加させていただきたいと思います!暖かい気持ちで歓迎していただいたことをまことに感謝しています!ほんなね!                    (Casey Snyder, USA)

 私が大阪大学日本語教育センターで教えたケーシー君は東京大学の国文科3年で万葉集を勉強していて(漢字力はすごい!「学問のすすめ」も原文で読む)、私の所へ遊びに来ていたので、一緒に参加させていただきました。オペラ初体験でしたが、大層楽しかったようで、まさに「オペラを楽しむ会」であると思いました。(平越真澄)

2009年8月5日 オペラを楽しむ会への青戸さんのコメント

暑くなりましたね。何をするのもしんどいのに、忙しいというかしんどいことばかり!皆さんもそうでしょうけど、そこを乗り切るのがKLAメンバーであります。それぞれの人生ですが、夫々の調理法で美味しい生き方を楽しみましょう。
 前回2000年ミレニアム記念オペラ椿姫を楽しんでいただきましたが、あれはほんとに凄かったですね。イタリア大使館、ヴェルサイユ、アントワネットの田舎屋を舞台にした二幕、プチパレでのパーティーやフラメンコのあの神業的ステップ、思い出すとあれこれのシーンがハイテク技術のお蔭ならではの信じられない映像ばかりでした。26億!(¥、$、€?)
 さて、その際ちょっとお見せして止めたのですが、先日再見したら中々良いのです。1931年の映画グレタガルボとロバートテイラーの椿姫!じっくり見ていると、あの絢爛豪華な椿姫に続けてこそ意味があるかと思いました。オペラではまるで、上流社会のパーティーみたいにみえますが、実際は彼女達は貴族の遊び相手。お金と、高慢、下品、いやしい心、優しさを織り交ぜた世界に目を見張りながら次第に引き込まれます。
 その後、時間に合わせて懐かしい指揮者クライバーが颯爽と振るウィンナワルツに始まりオペラ、オペレッタ、バレエ、オーケストラ、合唱など、美しい感動の舞台ばかりをまとめた映像をお見せしましょう。
                       以上です。よろしく青戸


2009年6月9日 オペラを楽しむ会レポート 
                  演目:「椿姫」   1853年  ベルディ
                     

 主人公のヴィオレッタは、当時流行の極東原産の椿を好み、愛の印として男たちに花を与える娼婦。男爵・子爵といった貴族は、男性の一夜の歓楽のお相手として、彼女らと贅沢な酒食、舞踏、賭博を楽しむという背景です。彼女は、パトロンの男爵の財力と自身の美貌・才知により成り上がった強かな女性なのです。お相手のアルフレートは田舎の富豪の子息で純朴な青年という設定です。本当の愛が芽生えるはずのないカップルなのですが、物語のなかでは紆余曲折の末に、死が二人を分かつ時に愛の最高潮をむかえるという悲劇なのです。無茶苦茶な話で、私は共感をもてないでいますが、音楽の美しさに惹かれ、聴いてしまいます。
 さて、今回は映画版をみせていただきました。アルフレート役は美男の誉高いホセ・クーラー、ヴィオレッタは新人美女のエテーリ・グヴァザーヴァ(観月ありさに似てる)、指揮者はズービン・メーターです。制作費25億円、撮影場はイタリア大使館・ヴェルサイユ宮殿・マリー・アントワネットの館・プチパレスなど豪華を極めており、舞台では表現しにくい臨場感、衣装や風景の美しさは映画ならではで、本当に素晴らしいの一言につきます。さらに華を添えたのは、第二幕第二場のパリフローラの館(プチパレスにて撮影)での余興でした。突然階上から、美しい衣装をまとったマタドール姿のダンサー達が現れ、見事なフラメンコのタップを披露したのです。オペラは総合芸術、究極のエンターテインメントといわれるとおり、大いに楽しんでしまいました。
 青戸さんご推薦の1994年の公演では、私のお気に入り父親役のレオ・ヌッチが素晴らしく、彼の好演で、父親の心情が切々と伝わりました。心に沁みるような歌唱力と演技で、父の身勝手なお願い「ヴィオレッタ、息子と別れてください。私たち家族の天使となって。神が私を遣わされたのです。」というせりふも、素直に聞きいれたのでした。ただし、他の観客は、「勝手なヒトー」とブーイング。
 こうして、オペラの醍醐味を満喫し、魅せられ、楽しんで豊な時間を過ごすことができました。青戸さんのお目に適ったオペラ作品を拝見し、オペラへの理解が深まり、皆様とのおしゃべりを楽しみ、本当に有難うございました。                        服部 真未子

2009年6月9日 オペラを楽しむ会への青戸さんのコメント 
                                      

  この度は、元に戻って久し振りに椿姫を、お見せしたいと思います。
 とは言っても数多ある映像からこれはと選ぶのは至難の選択です。それで希少価値ある1931年のグレタガルボとロバートテイラー主演の映画を!と思いましたが、さて、となると、やはり古すぎました。
 ここでは若すぎたテイラーのアルフレードも今ひとつ(あのヴィヴィアンリーとの「哀愁」での貴族的美貌の将校は良かったなあ!と)でも折角ですから持参して、部分的にご覧いただきましょう。
 それに、ここ!というところでアリアが無いのは全く気の抜けたシャンパンですから、やはりオペラです。
 今回のメインは1994年のロイヤルオペラ、ショルティー指揮で、最も美しいヴィオレッタ出現!と絶賛を博したアンジェラ・ゲオルギューを選びました。但しアルフレードは歌はともかく、容姿は期待しないで下さい。でも父親ジェルモンが、かのレオ・ヌッチですから、「プロヴァンスの空と大地」はウットリします。
 又、紀元2000年記念に26億かけて、超一流ホテルやイタリア大使館、ヴェルサイユ宮殿の庭園を舞台にした椿姫もお茶の後にどうぞ。
 ヴィオレッタも美女で、アルフレードはホセクーラーですから美男美女、取り替えたくなりますが・・・
 まあ、ゲオルギューでコヴェントガーデン総立ちの観客の熱狂振りを楽しみましょう。
 ドミンゴ様も未練が残りますが・・さてさて。以上

2009年4月14日 オペラを楽しむ会レポート 
                       演目:「魔笛」
                     

 オペラとしての「魔笛」(W.A.モーツァルト)については何回かこの会でも見せていただいたので、今更何も言うことはないが、今回の「魔笛」はジュリー・テイモアという奇才の演出家によるファンタスティックな仕上がりの、オペラというには十分にその枠を超えた作品であった。これはメトロポリタン歌劇場が「METライブビュ-イング」と称し、新しい試みとして映像を世界に同時配信するという試みの第1作でもある。(そのDVDを見せていただいた。)
 ジュリー・テイモアはミュージカル「ライオンキング」でその名声を高めたが、今回の「魔笛」でその才能はさらにすばらしい発展を見せていた。もちろん、選りすぐりの歌手、オーケストラ、指揮者という土台の上に、彼女の感性による見事な舞台装置と衣装が加わり、最初から最後まであきさせない演出は従来のオペラファンには違和感があるかもしれないが、私などは非常に楽しめた。
 その舞台装置はDVDからでも十分にそのスケールの大きさや繊細且つ優美な動きを見て取れ、華やかな色彩感覚は衣装やライティングに見事に反映していた。もともとの脚本も楽しいファンタジーであることではあるが、そこかしこに盛り込まれたユーモアや笑いを誘うしぐさもテイモアの細かい演出によるものであろう。また、葛飾北斎の赤富士からヒントを得たのではないかと思われるパミーナのドレスや複雑な折り紙のようなザラストロのローブ、王子タミーノの東洋的な武士を思わせる髪型や衣装などは、従来のイメージを踏襲した鳥刺しパパゲーノと恋人パパゲーナの衣装と絡んで、より一層不思議な世界観を広げて見せたと思う。
 特に印象に残ったのは夜の女王を演じたエリカ・ミクローシャの歌唱力とその衣装である。暗い舞台に浮かび上がる大きな蝶のような羽を付けた衣装は何人かの黒子によって操作されて大きく揺れ、さらに幻想的なライティングによって怪しいイリュージョンの世界に引き込まれていく。それぞれの場面で用いられた布製の仕掛けは「ライオンキング」で好評を博した動物シリーズを更にデフォルメした形で効果的にダイナミックに舞台を構成していた。
 英語による上演も私にとってはより理解しやすく思えたが、時間の関係か筋書きの一部が省略されてあり、それは残念であった。今後、テイモアの演出による他の作品が観てみたいものである。
                                  木下由利子

2009年2月9日 オペラを楽しむ会レポート
                    演目:喜歌劇「ジプシー男爵」
                     

2月9日、方向感覚ゼロのレポーターはまず「適塾」を目指す。お昼時とて辻辻に出ている弁当屋に尋ねるまでもなく、見覚えのある漆喰の壁が目にはいった。「大坂慶応倶楽部」は二度目である。部屋へ通され、柔らかな日差しを浴びるソファーに掛けた。緊張していて早く着きすぎたようだ。窓の下は「適塾」である。
ビルに囲まれ静寂そのもの。「適塾」ないしは『適適斎塾』と呼ばれる「適」とは、そも何の謂いかなどと、取り留めのないことを考えているうちに本日の主役、青戸さんがおいでになった。開演の1時には総勢11名が揃った。男性は2名。椅子は15脚ばかり。全くもって適当な人数である。
本日の演目は、1741年。ハンガリーのテメシュヴァールとオーストリアのウイーンという設定の喜歌劇「ジプシー男爵」。青戸さんの適当な解説とともにシュトラウスの軽快な序曲。調子をとる参会者。
主人公が愛を育み結婚することになるのは、ジプシーに育てられたトルコの太守の美しい娘。先祖の残した財宝を掘り当てるは、祖国の戦場では手柄を立てて男爵に取り立てられるはで、主人公の望む幸せはみんな適えられてしまう。
たわいない物語ながら、奥は深い。かつて戦争に明け暮れたヨーロッパ。衰退したとはいえ、オスマントルコの「マーチ」に震え上がった歴史をもつヨーロッパ。などなどをしのばせる。劇中、18世紀の身なりの伯爵が「EU」だの「シラク」だのと、のたまう(字幕)には一同仰天。しのび笑いが広がった。
「自由と平和、愛、富」全てが適って、大団円となる。ハッピーエンドがいいねと誰かが言う。
続いて青戸さんご持参のモナコにおける「能」の成功の様子を拝見する。何ゆえか日本のサスペンスドラマとおぼしき小林稔持の大写し。青戸さんあわてず騒がず画像の調節をお命じになる。のんびり眺めている一同。
本日は、抱腹絶倒もなく、感涙に咽ぶほどでもない。居眠るほど快適でもなく、さりとて足腰に響かぬ椅子にもたれ、ジプシーをちょっぴり羨み、非日常のひと時を楽しませてもらった。青戸さんの少し早いお誕生日を祝ってケーキを頂き御開きとなった。 
この会が長く続いているのは、肩肘張らず適宜、という点にあるようだ。辞書によると(適)は、真っ直ぐ向かっていくこと。心に適うこと。などなど。納得した。
レポーターは鶴井美根子でした。


                                   鶴井美根子

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