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  4. オペラを楽しむ会の活動報告

2018年の活動報告

2018年12月7日のレポート

演目:ヨハン・シュトラウス(2世)作曲  喜歌劇「こうもり」
〔出演〕ロザリンデ:ナンシー・グスタフソン(ソプラノ)、アイゼンシュタイン:ルイス・オテイ(バリトン)、アデーレ:ジュディス・ハワース(ソプラノ)、アルフレード:ボナヴェントゥーラ・ボットーネ(テノール) 〔演奏〕コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団&合唱団 〔指揮者〕リチャード・ボニング、〔録音〕コヴェント・ガーデン王立歌劇場(1990年12月31日)


 

〈みなさまの感想 ※ご提出順〉


 

・幕が開くとともにワルツ王、ヨハンストラウスの曲が流れ、年の瀬には全くぴったりのこうもりのオペレッタ、ずいぶん長い時間でしたが、夢中で見せていただきました。今年も楽しかったこと、ちょっと心配だったことのあった1年でしたがこのオペレッタですべてしめくくれた気がいたしました。青戸様はじめそして幹事の中川様ありがとうございました。(H.G.)

・今まで一度も見たことがなかったオペレッタ「こうもり」を平成30年最後の12月にみなさんと楽しむことができて幸せでした。コヴェントガーデンでの上演、英語で歌われ、劇中劇も、素晴らしいバレーあり、ロンドンの下町のコメディーを思わせるような台詞の数々が飛びだす楽しい演出でした。おかげさまで今年も青戸さんの選りすぐりのオペラを楽しませていただきました。また、一つ人生の楽しみが増えました。(H.T.)

・指揮棒が動いたその瞬間からときめきと喜びが広がって、オーケストラと歌声に酔いしれ、身も心も三拍子に揺れていた素敵で楽しい時間でした。ありがとうございました。(Y.K.)

・作品をご覧になっている皆様の笑い声がこれほどまでに会場にあふれた演目は久しぶりでした。舞台上で繰り広げられるせりふやアリアのなかに、他のオペラのアリアや当時の話題になっていた言葉が折りこまれたりしていて、西洋の“お笑い”ってこういうものなのかなと、ふと思ったりもしました。(K.N.)

   

2019年2月8日 オペラを楽しむ会への青戸さんのご案内


2018年10月5日のレポート

演目:ベートーベン作曲 オペラ「フィデリオ」
〔出演〕フロレスタン:ルネ・コロ、レオノーレ:グンドゥラ・ヤノヴィッツ、マルツェリーネ:フルチア・ポップ、ドン・フェルナンド:ハンス・ヘルム 〔合唱〕ウィーン国立歌劇場合唱団、〔演奏〕ウィーン国立歌劇場管弦楽団、〔指揮者〕レナード・バーンスタイン、〔録音〕ウィーン国立歌劇場 1978年。


 

〈みなさまの感想 ※ご提出順〉


 

・皆様のように奥深い知識もない私でしたが、オペラの集い会を重ねるにしたがって、楽しみ方が少しずつ分かってきたのでしょうか!フィガロの結婚に続き、今回のフィデリオ、夢中でテレビの画面に食い込むようにして見せていただきました。バーンスタインの指揮棒はまるで自分が振っているごとくの気分!すっかり乗り移ってしまいました。そしてフィデリオ、、そしてその夫、今でも二人の歌声が聞こえてきそうです。青戸さんをはじめこうして私を導いて下さるこのオペラ会、ただただ有難いと感謝しております。(H.G.)

・夫フロレスタンを救うため知力体力の限りを尽くし最後に夫の救出に成功する男装の妻レオノーレと共にすべての人が歓喜に包まれるというダイナミックなオペラでした。バーンスタイン指揮で、その暗い絶望から次第に希望へ、喜びへと導かれていく様子が直かに感じられました。2幕通して、「自由」への希求や人間としての「尊厳」を考えさせられ、今まで鑑賞してきたオペラとは違った印象を受けました。また、序曲のすばらしいこと。誠実で、権威に屈することのない強さがベートーヴェンらしい音階や曲の流れに底流のように流れていました。(H.T.)

・1963年秋に 西ベルリンから初めてベルリン・ドイツオペラ(現:ベルリン市立歌劇場)が、指揮者、演出、ソリスト、合唱、オケ、装置、その他総勢280名の大部隊で来日しました。演目は、「フィデリオ」「フィガロの結婚」「ヴォツェック」「さまよえるオランダ人」で、念願の「フィデリオ」を手に入れました。まだ観たことも聴いたこともないオペラ、ただ名前だけ知っている。聴くすべもない時代でした。指揮者はカールベーム(60歳)、シューベルトが得意という評判、歌手はクリスタ・ルートヴィッヒ(レオノーレ)、フィッシャー・ディスカウ(大臣)、G.ナイトリンガー(牢獄長)、他。演出はグスタフ・ゼルナー。ゼルナーは演劇演出家で、オペラでは歌いながら劇をするという、イタリアオペラでは考えられない(当時)ことで、大変注目されました。特に、牢獄の中で、レオノーレ(C.ルートヴィッヒ)が牢獄長にピストルを向けて「妻より殺せ」と迫るところの迫力に驚きました。それが別の日の公演では、牢獄長役(W.ベリー)が実生活の夫で、役柄とはいえ恐ろしさを感じました(テレビ観戦)。それがゼルナーの演出でした。今回のKLAオペラの会では、バーンスタイン指揮、ウィーン国立歌劇場の「フィデリオ」です。ウィーンフィル、当代一流のソリストたち、そして指揮者として最も脂の乗った頃のバーンスタインで、素晴らしい演奏でした。 (K.M.)

・自分では決して選ぶことは出来ないフィデーリオを解説していただきながら鑑賞出来ましたことは本当に良かったと思います。ベートーベンというだけで敬遠してました。そして、バーンスタインもとても懐かしかったです。ありがとうございました。(Y.K.)

・「ベートーベンのオペラ」は未経験だったため、非常に期待していましたが、期待以上、想像以上の素晴らし過ぎるオペラでした。どのオペラも序曲が、これから始まるお芝居の期待を高め、観客の気持ちを高揚させますが、このオペラの序曲は、巨匠ベートーベンのプライドを感じます。 心躍るのレベルを通り越し、まだ芝居も始まっていないのに、もうすでにここまでで満足!素晴らしいと唸ってしまう、という初めての体験でした。しかも、その序曲が第2幕の前にも入っていて、序曲好きにはたまりません。ベートーベンは大好きな作曲家の一人ですが、このオペラをみて、ますますベートーベンが好きになりました。そして、今回も青戸師匠の選択、毎回、キャスティングが素晴らしい。とりわけ、バーンスタインの指揮で初めてこのオペラに触れることができたことが、今回の一番の収穫でした。2回序曲があったこともあり、オペラとクラシックコンサートを一度に楽しんだような充実感でした。いつも素晴らしい作品に出会わせてくれて、本当にありがとうございます。次回も楽しみにしています。(A.H.)

・昔々、ベートーベンの交響曲やコンチェルトに魅力を感じ、フェリックス・フーフの小説を読んだりして楽しんでおりましたが、今回ベートーベンのオペラ「フィデリオ」を初めて全曲観まして、彼の作品を新鮮な気持ちで受け止めた、若かりし日がなつかしく思い出されました。(K.N.)

   

2018年12月7日 オペラを楽しむ会への青戸さんのご案内


2018年8月3日のレポート

演目:ロッシーニ作曲 オペラ「セビリアの理髪師」
〔出演〕伯爵:ファン・ディエゴ・フローレス、ロジーナ:ジョイス・ディドナート、フィガロ:ピーター・マッティ〔演奏〕メトロポリタン歌劇場管弦楽団 、〔指揮者〕マウリツィオ・ベニーニ 〔録音〕メトロポリタン歌劇場 2007年。


 

〈みなさまの感想 ※ご提出順〉


 

・大概悲劇の多いオペラ劇ですが、今回はロッシーニの“これでもか、これでもか” という覆いかぶさるような喜劇的な音楽がとても楽しく感じられました。そして、青戸さんが教えてくださった若いころの伯爵を演じた歌手の高音域にはびっくりしました。とても楽しいひと時でした。ありがとうございました。(H.G.)

・青戸さんのえらんでくださる一本は、「このオペラを見るならコレ!」という毎回究極の一本ですが、今回も、役者、舞台装置、衣装も含め、全てにおいて完成度が高い一本でした。さて、「セビリアの理髪師」を鑑賞しました。前回の「フィガロの結婚」という物語の前編とも言うべきお話しで、登場人物もほぼ同じでしたが、音楽を手掛けたのはロッシーニで、モーツァルトとはまた違った趣のある作品でした。とにかく話も音楽もテンポがあって、華やかで、明るくて、楽しい作品でした。 ロッシーニオペラは、歌の技術が相当必要なようで、「伯爵を演じるのは、200年に一度の高音域の歌を駆使するハンサムなペルー出身の歌手」と聞いていたので、これも大変楽しみにしておりましたが、期待以上、想像を超えた歌声でした。男性のあのような歌声をかつて聴いたことがありません。オペラの楽しみはその音楽性と物語性。「フィガロの結婚」は、、フィガロの若い婚約者との浮気を試みた伯爵とその夫人ロジーナの倦怠期の物語。「セビリアの理髪師」は、その二人のなれそめの物語。伯爵が、自分の妻にしたいとたくらむ後見人の老人からロジーナをを奪う物語。・・・あれ? なんだか同じような設定?歴史は繰り返すというのか、欲望の連鎖とでも言うのか・・・。その根底にあるのは、原作者ボーマルシェの貴族社会への風刺。今回も、人間社会を鋭く描く物語に高度な音楽を載せて届けるオペラという芸術の厚みを改めて実感させられる回でした。(A.H.)

・青戸さんの「案内文」にもありましたが、伯爵役のファン・ディエゴ・フローレスがとっても素敵でした。彼の作品をこれからもよろしくお願いします!ストーリーとしては、これだけロジーナに熱を上げていた伯爵が、『フィガロの結婚』ではどうしてあんなに冷めてしまうのでしょうか。男心は難しいです。(Y.N.)

・優しくいざなってくれる序曲に期待感で胸が熱くなり。何んて素敵なと思いながら、序曲に酔いしれました。(Y.K.)

・今回の曲目は、前回の曲目「フィガロの結婚」の前段階のお話で、何でも屋のフィガロが、主(あるじ)アルマヴィーヴァ伯爵が結婚するにあたってのドタバタ劇をまとめるお話です。年代的には「セヴィリアの理髪師」が先で、「フィガロの結婚」が後ですが、作曲はモーツァルトの「フィガロの結婚」が先で、ロッシーニの「セヴィリアの理髪師」が後です。歌手の発声で16分音符ではなく、32分音符の繋がりのようにコロコロと声を転がすように歌う歌い方を「コロラトゥーラ」と言いますが、これには特殊な訓練が必要で、ロッシーニは女声だけでなく、男性の主役にも歌わせています。今回も女性の主役「ロジーナ」は勿論のこと男性の主役「アルマヴィーヴァ伯爵」にもふんだんに歌わせています。そうなると世界広し、といえども、このテクニックを持った歌手しか歌えないことになります。実際、今回のテノール歌手は何年の先まで契約が詰まっているとか。けれどわたしの好みの声でなく残念です。もし、「コロラトゥーラ」なしで演奏されたら、女声も男声ものびやかな声が響き渡るだろうな、と思うし、ロッシーニ・ファンも増えるだろうなと思います。(K.M.)

・伯爵を演じたファン・ディエゴ・フローレスのコロラトゥーラは素晴らしかったです。もちろん伯爵の心を射止めたロジーナ役のジョイス・ディドナートも魅力にあふれていました。青戸様のご説明によるとロッシーニのオペラはコロラトゥーラがふんだんに用いられていて、ファン・ディエゴ・フローレスはテノールでありながらそうした要求に十分に応えうる稀有な存在であるとのこと。ほかの作品も楽しみです。(K.N.)

   

2018年10月5日 オペラを楽しむ会への青戸さんのご案内


2018年6月15日のレポート

演目:モーツァルト作曲 オペラ「フィガロの結婚」
〔出演〕アルマヴィーヴァ伯爵:トマス・アレン、伯爵夫人:リューバ・カザルノフスカヤ、フィガロ:フェルッチョ・フルラネット、スザンナ:ドーン・アップショー、ケルビーノ:スザンネ・メンツァー、マルチェリーナ:クラーラ・タカーチ、バルトロ:ジョン・トムリンソン、ドン・バジリオ:ウーゴ・ベネルリ、バルバリーナ:尾畑真知子、〔演奏〕ベルリンフィルハーモニー管弦楽団、〔指揮者〕ベルナルト・ハイティンク。●ザルツブルク祝祭大劇場(ザルツブルク音楽祭)1991年。


 

〈みなさまの感想 ※ご提出順〉


 

・ 前回に引き続き、同じタイトルでも時代、演出家、演出者、などなどによってここまで違ったものが出来上がるという一つの例を教えていただき、びっくりしています。新しいものではこの間、去年?神戸で“フィガロの結婚”映画を見ましたが、おかげで今回の作品と較べることができました。本当に昨日の作品は数倍よかったです。フィガロの低音素敵でした! ありがとうございました。(H.G.)

・「久しぶりに出席できたオペラ会。今回は、モーツアルトの「フィガロの結婚」、まず最初の序曲が良かったです。これから始まる物語への期待が高まります。「わくわく」と「繊細で美しい」が共存している・・・モーツアルトならではの魅力です。4幕4時間とかなり長丁場なオペラでしたが、ストーリーが面白く、テンポがあって、舞台演出、衣装もとても美しい。時間を忘れて鑑賞させていただきました。鑑賞後のティタイムも毎回楽しみです。今回も合田さんの美味しい手作りケーキをいただきながら、なごやかにおしゃべり。優雅な一日をありがとうございました。次回もよろしくお願いします。(A.H.)

・ 最近、イタリア・オペラを観賞する機会が多く、最後は凄惨な悲劇で終わることが度々あって観るのも心疲れますが、このモーツァルトのオペラは何度見ても楽しい。最初に観たのは1963年10月下旬のことでした。日比谷に日生劇場が建築され、柿落としにベルリン・ドイツ・オペラ(当時、西ドイツ)が初来日しました。ヨーロッパから初の引っ越し公演で、総勢280名という大部隊で大変な話題になりました。指揮は、カールベーム他2名、主な歌手は、フィッシャー・ディスカウ(伯爵)、エリザベート・グリュンマー(伯爵夫人)、エディット・マティス(ケルビーノ)、ワルター・ベリー(フィガロ)、クリスタ・ルートヴィッヒ、等々。演出は、R.ゼルナー他、蒼々たるメンバーでした(下線の方が「フィガロの結婚」に出た人)。スザンナ役は名歌手・名演技でしたが名前を忘れてしまった。軽い小児麻痺でしたがそれには気が付かず、後日、特別インタビュー記事で知りました。これがモーツァルトのオペラに初めて触れたときでした。あれから55年、日生劇場も建替えられましたが、忘れられない記憶となっています。それから20数年後(1987年頃)にザルツブルクのモーツァルト生家記念館を訪れたとき、ゼルナーの演出は模型となっていくつかの場面が飾ってあり、懐かしさのあまり、胸が熱くなりました。今回のKLAオペラの会の演奏は、ザルツブルク・イースター音楽祭1991年の公演で、指揮、D.ハイティンク、ベルリンフィル、ウィーン国立歌劇場合唱団、演出も過激にならず、安心してオペラを楽しむ事が出来ました。モーツァルトやロッシーニのオペラでは、同じ歌詞を繰り返し歌います。ソロ、二重唱、三重唱、合唱で歌い、その歌詞が、私にとって、二人にとって、皆にとって重要なのだ、と言いたげに歌います。それぞれが語尾を変えるだけで、男、女、皆と使い分けできるので、メロディー(&ハーモニー)を楽しむことができます。しかし、それがあまりに多いと鬱陶しいですね。モーツァルトはまだましですが。(K.M.)

・前回のオペラ会で鑑賞した「リゴレット」では悪役で出演したフルラネットが今回は好青年のすてきなフィガロ、アップショウが軽やかでウィッティなスザンナ、メンツァがかわいいケルビーノ、ハイティンクのバランスのとれた指揮と共に安心して楽しめる「フィガロの結婚」でした。モーツァルトのオペラは主旋律が楽しくも悲しくもくるくると変化し、それに声が重なっていき他のオペラでは味わえないような上昇感があります。今回はその音楽性にそった演出、衣装も舞台装置もふさわしくとても楽しめました。毎回、押さえておきたい舞台を的確にご紹介くださる青戸さんに感謝です。(H.T.)

・ 本当に久しぶりに心ゆたかなひとときを過ごさせていただき、有り難うございました。フイガロの結婚の劇中で、夫の愛情が冷めていくことを嘆くアリアが心にしみて聞き入 ってしまい、なぜか、せつなかったです。(Y.K.)

・ 今回のフィガロの結婚ですが、私は以前より、なんとはなく、モーツァルトの喜劇という認識でおりました。ところが今回、全編を観せて頂き、喜劇といっても当時のものは、人間の奥深い欲望のやりとりなのだと、考えを改めました。いつも勉強になり、大変、感謝しております。(E.K.)

・ フェルッチョ・フルラネットカッコよかったですね!(M)

・「フィガロの結婚」はモーツァルトのオペラのなかで非のうちどころのない完璧な作品と評されているそうです。オペラ初心者としましては、主要な登場人物の美しいアリアにうっとりしてしまい、出演者の力量の高さに感じ入っております。名演に触れることができ感謝いたしております(K.N.)

   

2018年8月3日 オペラを楽しむ会への青戸さんのご案内


2018年4月13日のレポート

演目:ジュセッペ・ヴェルディ作曲 オペラ「リゴレット」、〔原作〕 ヴィクトル・ユゴーの戯曲『王は楽しむ』
〔出演〕マントーバ公爵:ルチアーノ・パバロッティ、リゴレット(道化師):イングヴァール・ヴィクセル、ジルダ(リゴレットの娘):エディタ・グルベローヴァ、スパラフチーレ(リゴレットに雇われる刺客):フェルッチョ・フルラネット、〔演奏〕ウイーンフィルハーモニー管弦楽団 、〔指揮者〕リッカルド・シャイー、1982年のLD版。ミラノ・スカラ座およびロイヤル・オペラ公演を見比べました。また映画「歌劇王 カルーソ」(カルーソにはマリオ・ランツァが扮しています)を堪能しました。〈「リゴレット」の聞き比べにおける出演者等は次の通りです。〉●ミラノスカラ座日本公演(2013年9月9日NHKホール)、〔出演〕マントーヴァ公爵:フランチェスコ・デムーロ、リゴレット(道化師): レオ・ヌッチ、ジルダ (リゴレットの娘):エレナ・モシュク、〔演奏〕ミラノスカラ座管弦楽団、〔指揮者〕グスターボ・ドゥダメール。●ロイヤル・オペラ(2001年9月23日にコヴェント・ガーデンで上演)、〔出演〕マントーヴァ公爵:マルセロ・アルヴァレス、リゴレット(道化師): パオロ・ガバネルリジルダ、(リゴレットの娘):クリスティーネ・シェーファー、〔演奏〕ロイヤル・オペラハウス管弦楽団、〔指揮者〕エドワード・ダウンズ


 

〈みなさまの感想 ※ご提出順〉


 

・ 先日は同じリゴレットでも演出の仕方でここまで違った“リゴレット”になるのですね?とびっくりしました。毎回もっともよいと思われるものを見せていただいておりますので改めて青戸さんに感謝しております。(H.G.)

・「リゴレット」を見るのも、圧倒的な生命力にあふれた「パバロッティ」を聴くのも初めてでしたので感激もひとしおでした。宮廷内における道化についても知ることができました。以前、大塚日香さんから伺った『オペラでわかるヨーロッパ史』(加藤浩子著、平凡社新書)の中に詳しく説明してありますが、《道化》あるいは矮人が宮廷でどのような役割をはたしていたのか、それがオペラでどのように描かれたのか、よく納得できました。映像版だったので、マントヴァの貴族の館の内部などがわかり興味深い演出でした。ヴィチェンツァで撮られた映画の「ドン・ジョヴァンニ」を思い出しました。ヴェルディの描く親子の愛の悲しさ、最後の悲劇的な結末は人間の業をえぐり出しているようでした。(H.T.)

・ リゴレットの悲劇も歌い手の声や見映え、また演出の違いで、ここまで変わるのかと、驚きました。悲劇は音楽と相まって、さらに深まり、胸に迫りました。いつも貴重な時間をご一緒させて頂き、皆様に感謝申し上げます。(E.K.)

・エディタ・グルベローヴァの可憐な姿が奏でる美しいコロラトゥーラにすっかり惹き込まれています。ルチアーノ・パバロッティ扮するマントーバ公爵は女性の心をもてあそぶ不遜な男。その彼を愛してしまうエディタ・グルベローヴァ扮するジルダ。二人が初めてお互いを認識する場所として教会の礼拝の場が設定されていることは、ジルダの気高さを象徴しているかのようです。男の自分への裏切りを知っても愛の炎を消すことができないばかりか、相手のために自らの命まで投げ出すという展開から、“愛”の正体は何であるのか、人間の心を動かしているものは何なのかという思いを拭い去れません。オペラの中で次々と繰り出されるメロディに魅了されています。(K.N.)

   

2018年6月15日 オペラを楽しむ会への青戸さんのご案内


2018年2月1日のレポート

演目:ヴェルディ作曲 オペラ「イル・トロヴァトーレ」
  出演:〈レオノーラ〉アンナ・ネトレプコ、〈ルーナ伯爵〉ディミトリ・ホヴォロストフスキー、〈マンリーコ〉ヨンフン・リー、〈アズチェーナ〉ドローラ・ザジック
収録:メトロポリタン歌劇場 2015年


 

〈みなさまの感想 ※ご提出順〉


 

・ 加藤浩子氏著書「ヴェルディ オペラ変革者の素顔と作品」(平凡社新書)が非常に読みやすかったです。「オペラでわかるヨーロッパ史」という本もあります。慶応文学部卒ですのでどなたかの同級生かもしれません。歌手やストーリーは追いきれませんので、まずは作曲家と音楽を中心にオペラを楽しみたいと思います。(O)

・ルーナ伯爵、レオノーラ、アズチューナ、マンリーコ、の4人の主役?が作り出すこの作品の中で最後までアズチューナの心の辛さが一番心に残りました。彼女は実の子供ではなくても、自分の子として愛し続けた息子を殺されて彼女の母の復讐を遂げたのでしょうか?オペラはいつもいつも悲しいです。(H.G.)

・ 素晴らしいキャスト、ホヴォロストフスキーのルーナ伯爵、ネトレプコのレオノーラ、ザジックのアズチェーナに酔いしれました。(さすが青戸さんの選曲はすばらしい!)ホヴォロストフスキー(2017年11月亡)が脳腫瘍を克服して登場(2015年)した場面、歌う前に拍手が鳴りやまなかったことに最初から感動。最後に、愛と復讐に翻弄されたアズチェーナの言葉「復讐を果たした」に人間の業の深さ、弱さ、儚さを痛感しました。(M.H.)

・ オペラのストーリーもディミトリ・ホヴォロストフスキーも美しく悲劇的でした、銀髪の彼の歌う姿を見ることができ、アンナ・ネトレプコ、ヨンフン・リーの熱唱もあって観客の熱狂と共にまた、ひとつ心に刻まれるオペラ鑑賞となりました。オペラの魔力の深みにはまっていきます。これもアズチェーナの魔術でしょうか・・・。(H.T.)

・ヴェルディのオペラの舞台は、イタリアはもちろんのことスペイン、エジプトでのグランドオペラが有名ですが、この「イル トロバトーレ」はスペインが舞台。アラゴン王国内の貴族(ルーナ伯爵)とジプシーの争い、一人の女性(王妃女官:レオノーラ)をめぐって、ルーナ伯爵とジプシーの子として育てられた吟遊詩人(マンリーコ)の双子兄弟(とも知らず)の争い、最後はルーナ伯爵がマンリーコを処刑し、ジプシー老母(アズチェーナ)は、「復讐が成った」と絶叫して幕が閉じます。物語の進行は、兵士の合唱や主役クラスのアリアで内容がうたわれ、親切なオペラです。ただ全てが憎しみ、争いにつながる内容で、救いがなく、破滅に落ちてしまうオペラでもあります。それでも人気があるのは、ヴェルディのオペラ作曲の上手さ、多彩なアリアの美しさ、アズチェーナの風貌とどすのきいた歌唱がオペラを引き締めます。2月は青戸さんの誕生月。オペラを見終わって、合田さん特製のバースデイ・ケーキが出されました。合田さんのケーキは甘すぎず、苺がたくさんあって、台のカステラ(スポンジ)も美味しく、私のお気に入りです。「イル トロバトーレ」の後味の悪さを十分に補ってくれました。(K.M.)

・ 久しぶりに観た「トロヴァトーレ」、これぞオペラ、という運命的な悲劇で、その世界にすっかり引き込まれました。赤ん坊の時に取り違えられたマンリーコ、実の兄弟とも知らず争うことになるルーナ伯爵、二人に愛されるレオノーラ、敵の子を自分の息子として育てたアズチェーナ、どの役も大変印象深く、改めて名作だと感じさせる作品でした。今回の青戸さんの解説で初めて知った、ルーナ伯爵のディミトリ・ホヴォロストフスキー、病気とは信じられないような素晴らしい熱演で、メットの観客の熱狂ぶりはなるほどと思わせてくれましたし、マンリーコの若い歌手もロマンチックな美声を堪能させてくれました。ヴェルディの作品は合唱が素晴らしいといつも思っていますが、今回のアンヴィル・コーラスはとても耳に残りました。よかったです! 舞台裏が楽しめるビデオで、レオノーラのネトレプコの息子をかわいがる母の姿がほほえましいなと感じました。次回もとても楽しみです。(A.K.)

・ こんな悲しすぎるオペラがあるのだと驚いています。これまで観た作品では、愛する人の幸せを願ってとか、あまりにも愛しすぎてとか、それが悲劇を呼ぶという展開で、何か甘美な要素があったものですが、今回は様相を異にしています。それをベルディは美しい魅力的な音楽で謳いあげているから、また観たくなります。ストーリ展開も気になりますが、うっとり聞き惚れるアリアの数々に、長い長〜いアリアもあって、これまでと違うオペラの楽しみ方に出会えました。今回は何か異色な作品のように思えます。(K.N.)

     

2018年4月13日 オペラを楽しむ会への青戸さんのご案内